『エクセレントカンパニーの新条件』
-本業を培養する、富士フイルム-
歴史をひもとくと、写真フィルムは富士フイルムのほか、米イーストマン・コダックと独アグファ、日本のコニカミノルタと、世界で4社しか作らない寡占市場だった。
だが、デジタルカメラへの移行が急速に進み、2000年をピークに写真フィルムの市場規模が激減。コニカミノルタは写真フィルムから撤退し、複合機など別の事業に力を入れた。2012年には、業界の盟主だったコダックが経営破綻した。
次々と新たな事業を創出し、本業喪失の苦境から復活した富士フイルムは、競合ひしめく医薬・医療業界で新たな本業を「培養」できるか。先駆者の新たな挑戦は、日本企業にとって指針となる。